乾燥地で生育する植物に有用な複合微生物系構築を目指して、根圏微生物のメタゲノム解析に基づく生態、機能、微生物ネットワークに関する研究を行った。結果として、乾燥地では微生物ネットワークの中心的な存在であった放線菌門に属する細菌やアーバスキュラー菌根菌が普遍的に分布しており、内生菌については担子菌よりも子嚢菌が優占していた。また、乾燥条件下では内生菌、内生細菌ともに群集構造が異なり、微生物機能が異なることも酵素活性や機能遺伝子から示唆された。複合微生物系の構築に向けては、ネットワークの中心微生物の有効性が微生物間相互作用や環境への適応性の観点から推察され、今後はこの点の検証が必要である。
|