水田は世界人口の半数に主食のコメを供給する食糧生産基地である一方、強力な温室効果ガスであるメタンを大量に排出している。開放系大気CO2濃度増加実験(FACE)を実施し、様々なイネ遺伝資源に対する高CO2応答を実証的に調査した結果、現在の日本の主力品種と比べて高CO2による増収効果が大きい品種・系統が見出され、イネの形質としてシンク容量が重要であることが分かった。また多収かつ高CO2応答が大きいにもかかわらず、メタン排出量が少ない品種・系統が見出された。同位体による解析の結果、イネの根圏が関与する土壌有機物由来のメタン生成抑制/メタン酸化促進が低メタン化の重要なメカニズムであることが分かった。
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