昭和基地周辺に生息している菌類の優占種であるMrakia属菌について、全ゲノム解析、メタボローム解析を行うことで、通常の生物にとって生存が困難な氷点下でどのように生存しているのか解明を試みた。その結果、低温での成長能に優れた南極産のMrakia blollopisは氷点下での低温ストレスに対抗するため、多大なエネルギー的コストを支払いながら氷点下という低温環境に適応し、成長していることが示唆された。 また、南極産菌類が持つ二次代謝産物について調査した結果、医薬品の原料となる物質を多数分泌していることが明らかとなった。以上のことから南極産菌類が微生物資源として有用であることが明らかとなった。
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