研究課題/領域番号 |
16H06218
|
研究種目 |
若手研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内田 康雄 東北大学, 薬学研究科, 講師 (70583590)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 血液脳関門 / 血液クモ膜関門 / トランスポーター・酵素・受容体探索 / 中枢薬物動態 / qGAP法 / SWATH法 / qTAP法 / プロテオミクス |
研究成果の概要 |
血液脳関門を含めた中枢関門は、末梢と中枢の間の、薬物を含めた物質の重要な交換ルートである。細胞膜に発現する輸送担体が重要な役割を果たす。従来の研究は、細胞膜上での輸送担体の種類、量、機能を追跡できず、かつ、げっ歯類中心であった。本研究では、細胞膜タンパクにも適用できる網羅的絶対定量プロテオミクス「qGAP法」を開発し、ヒト血液脳関門を含めた中枢関門の新たな輸送分子機構を網羅的に解明した。従来想定していなかった多くの輸送担体(OAT1、OAT3、MATE1、OCT2の高発現など)の発見によって、中枢における薬物・物質動態が合理的に理解できるようになり、ヒト中枢関門学の基盤を築くことができた。
|
自由記述の分野 |
分子薬剤学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトを含めた大動物とげっ歯類の間では、血液脳関門の輸送機構に定量的な種差があることが先行研究から明らかになっていた。従来の中枢関門研究は、げっ歯類の使用を中心としたものであったため、ヒトの疾患治療を考えるうえで、大きな乖離があった。これに対して、本研究では、ヒト血液脳関門を含めた中枢関門における輸送分子機構を初めて体系的に解明した。特に、中枢組織の周りを覆うクモ膜が、末梢と中枢の間の重要な関門であり、多様な物質輸送機構を有することを明らかにしたことは、中枢領域のあらゆる研究に対して新しい潮流を生み出したといえる。本研究成果は、中枢疾患治療薬の開発戦略に大きく貢献することが期待される。
|