本研究はコレステロール排出輸送体であるABCG5/G8とコレステロール吸収輸送体であるNPC1L1の輸送活性バランスによる食事由来脂質の消化管吸収制御システムを明らかにするとともに、そのシステムが動脈硬化症の進行に及ぼす影響を明らかにすべく計画された。NPC1L1高発現細胞を用いたin vitro輸送実験やNPC1L1遺伝子欠損マウスを用いたin vivo吸収実験により、様々な食事由来脂質の消化管吸収にNPC1L1が関わることが明らかとなった。また、動脈硬化症モデルマウスを用いた検討により、動脈硬化症の発症・進行におけるNPC1L1の病態生理学的な重要性が明らかとなった。
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