本研究では、炎症組織中Th17細胞が自己抗原を認識、活性化後にどのような炎症性カスケードを発動するのか、また、Th17細胞を起点とした炎症ネットワーク形成とその構成因子の詳細について解析した。特に、GM-CSFを産生する細胞サブセットの炎症疾患における意義と制御機構を明らかにし、新しい関節炎惹起性サブセットの一つとして滑膜組織に常在するGM-CSFを高産生する自然リンパ球を同定した。また、自己免疫性Th17細胞のエフェクター遺伝子発現ネットワーク制御に関わる分子としてSatb1を同定した。これらの成果により、免疫系細胞と間葉系細胞による炎症維持機構についての包括的な理解が深まった。
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