研究課題/領域番号 |
16H06237
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
白鳥 美穂 (林) 九州大学, 薬学研究院, 助教 (20735641)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 痒み / 慢性掻痒 / 脊髄 / GRPR |
研究実績の概要 |
候補分子を頸部髄腔内投与した結果、濃度依存的にかゆみ行動が増加した(以下因子Xとする)。この因子はGRPR欠損マウスに対しても同様にかゆみ行動を誘発し、GRPR非依存的なかゆみ物質であることがわかった。因子Xの受容体のsiRNA処置により、X依存的なかゆみ行動及び慢性掻痒初期のかゆみ行動が抑制された。因子Xの発現様式を複数の慢性掻痒モデルマウスで検討したところ、慢性掻痒初期から進行維持期にかけて脊髄で継続的に発現増加していることが分かった。免疫染色法によりその発現細胞が脊髄後角の神経細胞であることも分かった。さらに、GRPR陽性神経細胞を脱落させるボンベシンサポリンを投与したのちX及びX受容体の発現を検討したところとどちらも変化が見られなかったことから、GRPR陽性神経細胞とX受容体発現細胞は異なることも明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、GRPR非依存的候補因子およびその受容体を特定し慢性掻痒初期における関与を明らかにでき、さらに双方の欠損マウスやレポーターマウスを購入および作成できたため。また、GRPR陽性神経との関係性も明らかにできたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は購入および作成した欠損およびその他の遺伝子改変マウスの解析を進め、因子と受容体の関与の詳細や発現細胞の位置関係を明確にすると共に、細胞腫(神経細胞)特異的な受容体の発現抑制も行う。さらに、慢性掻痒時における因子X発現増加メカニズムやX受容体活性化以降の詳細なメカニズムの解明を進めていく。
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