アトピー性皮膚炎などに伴う慢性的な痒み(慢性掻痒)は既存の治療薬が奏功せず、メカニズム解明は重要な課題である。これまでの研究から、慢性掻痒時の脊髄における痒み伝達にはGRPRシグナルが関わることがわかっている。しかしながら、GRPR欠損マウスを用いた検討から、進行維持期のGRPRの関与は部分的で、初期に至ってはほとんど関わらないことが示唆された。そこで、GRPRシグナル非依存的な痒み伝達メカニズムについて種々の検討を行った。その結果、GRPRシグナル非依存的な痒み伝達を担う候補としてX陽性神経細胞を見出した。
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