本研究は終末期がん患者の重大症状について、実臨床の対象患者全例を対象とした大規模なレジストリを構築することにより、治療の有効性・安全性および臨床転帰について明らかにすることを目的とする観察研究である。 2017年3月までに行ったこととして、1.研究体制の構築を行った。具体的には研究計画の取りまとめなど研究全般のマネジメントを行う組織として、研究者、生物統計家、データマネージャーなどからなるステアリング委員会を立ち上げ、これまでの終末期コホート研究に参加したホスピス・緩和ケア病棟などからなる研究参加施設の組織を行った。2.レジストリの対象となる症状、対象集団と対象治療、アウトカムの選択の検討を行った。対象症状としては終末期せん妄、呼吸困難、喘鳴を選択した。対象患者の絞り込みのためにPerformance status、palliative prognostic index等の指標を参考に週単位以下の予後の患者を選択するために必要な条件設定を行った。アウトカム評価についても高率に意識障害を伴う終末期患者での使用を前提に、客観評価も可能となる指標を使用することとした。
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