本研究は終末期がん患者の重大症状について、実臨床の対象患者全例を対象とした大規模なレジストリを構築することにより、治療の有効性・安全性および臨床転帰について明らかにすることを目的とする観察研究である。研究期間中にせん妄・呼吸困難・死前喘鳴・オピオイド関連有害事象等に関するレジストリ登録を行う予定としている。 平成30年3月までに行ったこととして、1.せん妄のレジストリ研究を行い、全国23施設(緩和ケア病棟、サイコオンコロージーグループ)から合計800例を超える症例の登録を行った。症例登録後、データセンターと共同して、データクリーニング・データ固定を完了し、解析・論文化を行っている段階である。主研究の結果については平成30年の日本緩和医療学会で報告する予定となっている。2.オピオイド関連有害事象(オピオイド誘発性便秘症)に関するレジストリの実施に向けた準備を行った。当該研究に関するプロトコル作成、Electronic Data Capture Systemの構築、参加施設の組織を行い、プロトコルの中央審査を受けているところである。症例登録に向けたキックオフ会議は既に完了しており、中央審査・参加施設での審査が済み次第、速やかに症例登録を開始できる体制が整っている。3.前述の2課題が完了した後の課題について、終末期呼吸困難、難治性疼痛等に対する薬物療法の効果に関するレジストリを実施予定であり、そのプロトコル作成準備を進めている。
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