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2016 年度 実績報告書

ヒト心筋細胞移植療法実現へ向けた患者移植用iPS細胞株の樹立および選抜法の最適化

研究課題

研究課題/領域番号 16H06245
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

関 倫久  慶應義塾大学, 医学部, 研究員 (30528873)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードiPS細胞 / センダイウイルス / 核型異常
研究実績の概要

将来的な移植治療に向けて、GMPレベルの培養条件内で完結可能な心筋細胞分化用iPS細胞樹立プロトコールを確立すること、さらにiPS細胞樹立後の各種の未分化性と安全性の評価プロトコールを最適化し、移植用としてふさわしくない細胞株を排除し、移植に適するiPS細胞株を短期間で選抜する体制を確立すべく、研究を行った。
具体的には、まずGMPレベルへ移行可能な培養系を確立するため、動物由来成分の含有が最小限であり、かつ生物由来原料基準をクリアできる培養系の確立を試みた。また、iPS細胞の品質管理に用いる遺伝子マーカーを同定するため、公開データを含めた多数の発現データから核型を推定し統計的に解析を行うことで、臨床用に適さないiPS細胞株を迅速に見分ける方法の確立を試みた。
センダイウイルスベクターによる山中因子導入、及びStemFitAK02培地、培養基剤としてiMatrix-511を用いることにより、従来の培養条件よりも高効率な樹立方法の確立に成功した。当該方法はGMP基準へ移行可能な試薬のみを用いており、ヒトへの移植ができる培養条件内で完結可能である。さらに、樹立後の選抜マーカーとして、700個のヒト多能性幹細胞のマイクロアレイデータの解析から、ヒトiPS細胞の最頻度の核型異常である12トリソミーを簡便に見分けるマーカーとしてGTSF1を同定した。当該マーカーを用いることで、iPS細胞培養において最頻度の核型異常である12トリソミーを有する細胞株を遺伝子発現の確認のみで排除することが可能となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

異常なiPS細胞は偶然によって出現することから、実験対象を得られるまでの時間が予測できず、当初の予定より検証に時間を要している状況である。

今後の研究の推進方策

選抜マーカーに関しては、現在のところiPS細胞の樹立における細胞株の選抜方法は非常に限られており、現実でのスクリーニングでの有用性の検証を進めることで有用な方法となると考えられる。また、さらに実際の細胞株からのデータ収集を進め、さらなる有用な選抜プロトコールの作成を進める。

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公開日: 2018-12-17  

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