Canonical Wnt pathway関連遺伝子変異によるβカテニン活性化機構が多くの固形腫瘍では知られている一方で、ヒト急性骨髄性白血病においてはそのような遺伝子変異が認められないことから全く異なるメカニズムでβカテニン活性化が生じていると考えられてきたが詳細は不明であった。本研究により、白血病幹細胞特異的分子であるTIM-3シグナルとその下流の分子群がCanonical Wnt pathwayを直接活性化する新しい分子機構であることを見出した。すなわち、ヒト急性骨髄性白血病における遺伝子変異非依存的βカテニン活性化機構としてTIM-3シグナルとその下流分子群の同定に至った。
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