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2016 年度 実績報告書

希少免疫疾患のゲノム解析を通した病態解明と治療開発のフレームワークの構築

研究課題

研究課題/領域番号 16H06251
研究機関京都大学

研究代表者

寺尾 知可史  京都大学, スーパーグローバルコース医学生命系ユニット, 特定助教 (60610459)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード全ゲノム関連解析 / 希少免疫疾患 / 治療標的
研究実績の概要

強皮症について国内の共同研究施設から検体集積を行い、716名の疾患群と1797名の健常人群についてアジア人初めての大規模全ゲノム関連解析を実施した。また、ヨーロッパ人との国際メタ解析を行い、追認解析を施行、合計4436名の疾患群と14751名の健常人群の解析を行い、新規疾患感受性領域として、染色体6番のPRDM1と17番のGSDMA領域の2つを同定した。いずれも他の自己免疫性疾患との関連が知られている領域であった。特にGSDMAは皮膚に発現する遺伝子であり、関連多型はこの遺伝子のアミノ酸変異を伴う多型であった。さらにHLA領域を解析し、日本人とヨーロッパ人では関連が大きく異なる可能性を示した。また、細胞特異的なエピゲノムデータベースと照合して、疾患に重要な細胞群としてCD4+ naive primary Tcellを同定した。
再発性多発軟骨炎の検体を集積し、HLA-A,B,C,DRB1,DPB1,DQB1の6領域について102例の患者群と1000例の健常人群を比較して解析を行った。新規疾患感受性HLAアレルを3つ同定した。また、HLAのアミノ酸部位の解析を行い、同じく自己免疫性疾患である1型糖尿病で最も関連の強い部位と同じ部位が関わっている可能性を示した。国際的に検体を増やすため、NIHのグループと共同研究を開始した。
高安動脈炎のさらなる検体集積を行い、国内患者数の10%以上に及ぶ合計600例以上の疾患患者DNAを集積した。また、新たな全ゲノム関連解析に向けてIllumina Infinium Human CoreExomeアレイを用いてゲノムスキャンを開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

疾患DNA群の集積が順調に進んでおり、また、解析も順調に進捗している。将来的なメタ解析を行う国際コンソーシアムや国際的な共同研究の関係も構築できている。さらに、強皮症においては新規疾患感受性遺伝子と治療標的候補となりうる細胞サブセットを同定した。

今後の研究の推進方策

各疾患についてさらに検体を増やし、遺伝子解析を続ける。ゲノムスキャンを行い、HLA領域、非HLA領域における新規関連領域を同定する。疾患感受性多型のリストを基に細胞特異的エピゲノムデータベースと照合して疾患に決定的に重要な細胞サブセットの同定を試みる。また、感受性遺伝子―感受性遺伝子の相互作用を検定する。ゲノム解析結果を基に新規治療ターゲットとなる分子を探索する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件)

  • [国際共同研究] Paris 7 University/Lille University/Paris Descartes University(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Paris 7 University/Lille University/Paris Descartes University
    • 他の機関数
      1
  • [国際共同研究] Brigham and Women’s Hospital/Northwestern University/Johns Hopkins University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Brigham and Women’s Hospital/Northwestern University/Johns Hopkins University
    • 他の機関数
      1
  • [国際共同研究] Jewish General Hospital(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      Jewish General Hospital
  • [国際共同研究] University of Lubeck/University of Koln/University Medical Center(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      University of Lubeck/University of Koln/University Medical Center
  • [国際共同研究] University of Florence/Spedali Civili/University of Verona(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      University of Florence/Spedali Civili/University of Verona
    • 他の機関数
      2
  • [雑誌論文] Transethnic meta-analysis identifies GSDMA and PRDM1 as susceptibility genes to systemic sclerosis.2017

    • 著者名/発表者名
      Terao C, Kawaguchi T, Dieude P, Varga J, Kuwana M, Hudson M, Kawaguchi Y, Matucci-Cerinic M, Ohmura K, Riemekasten G, Kawasaki A, Airo P, Horita T, Oka A, Hachulla E, Yoshifuji H, Caramaschi P, Hunzelmann N, Baron M, Atsumi T, Hassoun P, Torii T, Takahashi M, et al.
    • 雑誌名

      Ann Rheum Dis.

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1136/annrheumdis-2016-210645

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Genotyping of relapsing polychondritis identified novel susceptibility HLA alleles and distinct genetic characteristics from other rheumatic diseases.2016

    • 著者名/発表者名
      Terao C, Yoshifuji H, Yamano Y, Kojima H, Yurugi K, Miura Y, Maekawa T, Handa H, Ohmura K, Saji H, Mimori T, Matsuda F.
    • 雑誌名

      Rheumatology(Oxford)

      巻: 55(9) ページ: 1686-92

    • DOI

      10.1093/rheumatology/kew233

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16   更新日: 2022-01-28  

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