研究課題
本年度は高安動脈炎の解析を主に行った。高安動脈炎患者415人と健常者2170人のDNAを用いてIllumina社のHuman Core Exomeアレイを用いて関連を解析した。HLA領域についてはSNP2HLAソフトウェアを用いて詳細な解析を行った。また、高安動脈炎患者219人と健常人3770人を用いて追認解析を行った。既知のHLA-B、IL12Bに加えて新規で6領域の関連を同定した(p<2.8x10-8)。HLA領域を詳細に検討した結果、HLA-B領域の関連は関連アレル2つをtagする一つの多型で説明可能である可能性が示された。また、新規疾患感受性領域であるNK細胞受容体であるLILRA3の多型はLILRA3の欠失をtagする多型であり、HLA-B*52存在下でのみ高安動脈炎と関連することが示された(epistasis効果)。HLA-B領域の多型はNK細胞のリガンドであるMICBの発現と関連があった。さらに、非HLA関連領域と細胞特異的enhancerのoverlapに関する解析で、NK細胞における重複が最も強く見られた。さらに、全ゲノムの解析結果を用いたpathway解析でもNK細胞pathwayの関連が強く見られた。強皮症については新規DNA集積を行い、400例ほどの新規DNAを得た。再発性多発軟骨炎についてもDNA集積を継続している。研究期間全体を通しては、高安動脈炎について世界最大の疾患DNAを集積して新規遺伝子を6つと責任細胞候補を同定し、国際メタ解析によって強皮症の新規遺伝子を2つ同定し日本最大の強皮症DNAを集積、さらに再発性多発軟骨炎の新規HLA関連アレルを同定した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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