研究課題
常在細菌叢解析は腸管や皮膚などで広く行われ、疾患への寄与が次々と明らかになりつつある。微生物-免疫応答の解析では、細菌叢のみの解析では、対微生物免疫応答の一面しか見られていない可能性がある。しかしながら、微生物全体を対象とした微生物免疫応答解析モデルはない。これまで、先行する研究において病原細菌S. aureusや病原真菌C. albicansにおける、経表皮的マウス感染症モデルを樹立し、反応を明らかにしてきた。この系を発展、細菌・真菌・などを含め“超個体”の理解に基づく解析を行い、皮膚微生物-宿主免疫解析法の確立を目指す。これまでに、皮膚におけるS. aureus及びC. albicans感染免疫応答性IL-17産生性細胞の解析を行い、経表皮モデルにおけるS.aureusのIL-17産生細胞が、皮膚gdT細胞と、ILC3であることを同定し、その誘導に、菌由来PSMaがケラチノサイトのIL-1, IL-36の細胞死を介した分泌が必要であることを突き止めた。これまでにこれらの研究実績を論文として報告した。本研究では、真菌として当初、C.albicansの免疫反応を検討することを目的としていたが、研究期間中に論文が多く報告されたため、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎などの皮膚炎に関与する、Malasezziaの皮膚における、皮膚炎惹起メカニズムの解明に着手した。Malasezziaのin vivoの検討の系は存在していないが、申請者らは、マウスにおけるMalasezziaの皮膚炎モデルを新規に確立し、ケラチノサイトのMyD88シグナルを介して皮膚炎惹起が誘導されていることを見出した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
The Journal of Infectious Diseases
巻: 218(6) ページ: --
10.1093/infdis/jiy259.
Frontiers in Cellular and Infection Microbiology
巻: 8 ページ: --
10.3389/fcimb.2018.00010.