研究課題
まず、1H-MRSによる脳代謝物質の測定のquality controlを多様なパラメーターを用いて安定化させた。次に、ボクセル内の構造を脳脊髄と灰白質、白質に分割化し、関心領域の脳脊髄比を算出することを可能にした。この脳脊髄液比で代謝物質の濃度を調整することで脳実質内の代謝物質を測定することが可能となった。これらにより安定的な撮影環境が強固となり、撮影から解析までのパイプラインを整えた。これまでに治療抵抗性統合失調症と寛解統合失調症を計50名組み入れた。有害事象は認めていない。これらのデータのクオリティチェックを行い、中間解析として抵抗例と寛解例における線条体グルタミン酸濃度の比較を行った。その結果に基づき、2018年3月に第13回日本統合失調症学会にて発表を行った。論文としては、未治療統合失調症の脳内では有意なグルタミン酸濃度の異常を認めないこと(Iwata, Nakajima, et al. 2018)、慢性例における脳内グルタミン酸濃度に異常を認めないことを発表した(Plitman, Nakajima, et al. 2018)。2018年度内に対象の組入れ、データ収集、画像解析を終了する。そして、一般線形モデル解析を用いて、年齢、喫煙歴を共変量とし、3群間における線条体グルタミン酸濃度を比較する。その後、結果の考察を経て、国内・国際学会での発表を行う。学会での議論の結果を反映させた原稿を作成し、英文学術誌に投稿の予定である。2018年度より、日本学術振興会科学研究費基盤研究(B)の支援を受け、「治療抵抗性統合失調症における興奮抑制バランスの破綻:TMS-EEG/MRS研究」に挑戦する予定である。本研究に1H-MRSによるGABA測定とTMS-EEG法というモダリティを追加することにより、この研究の円滑な遂行が期待される。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 7件、 査読あり 7件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件)
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