研究課題
本研究の目的は、治療用β-線放出核種の高いがん集積性と正常組織における不必要な被曝の低減を同時に達成しうる新たな小線源療法および内用療法を確立することにある。つまり、熱をトリガーとして凝集する化合物群を構築し、その放射性標識体について、インビボにおけるがん選択的な熱制御により、高いがん集積性及びがん縮小効果の達成を目指す。凝集前の化合物群は比較的速やかな生体クリアランスを示すように設計することにより、副作用の低減に繋がることから、上記に示す目的を達成できるものと考える。平成30年度は以下の結果を得た。(1)温熱療法との併用療法温熱療法の適用温度が約42℃であることから、体温では分散状態を保ち、42℃で確実に凝集するポリオキサゾリン誘導体を用いた検討を行った。前年度までのIn-111標識体を用いた検討については論文として報告した。今年度は、Y-90標識体を新たに合成し、がん組織の加温処置との組合せによる治療効果について評価し、非処置群や加温処置のみを実施した群と比較して高いがん縮小効果を認めた。(2)近赤外光照射による局所発熱を利用したがん特異的治療法存在部位の不明ながんを対象とした新たながん治療法の確立を目的とする。金ナノロッドをがん組織に集積させた後、近赤外レーザー光を照射することにより、がん組織内温度を約43℃に制御した。その状態で放射性標識POZを投与すると、がん組織に有意に高く集積することを明らかとした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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ACS Applied Polymer Materials
巻: in press ページ: in press
Molecular Pharmaceutics
巻: 15 ページ: 3997~4003
10.1021/acs.molpharmaceut.8b00441
https://www.kobepharma-u.ac.jp/biophys/