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2019 年度 実績報告書

オルガノイドを用いた膵癌phenotypeによる膵星細胞の基質リモデリング解析

研究課題

研究課題/領域番号 16H06258
研究機関九州大学

研究代表者

池永 直樹  九州大学, 大学病院, 助教 (90759755)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード膵癌 / 膵星細胞 / 癌微小環境 / オルガノイド / 基質リモデリング / 分化型
研究実績の概要

ヒト膵癌組織では間質量や浸潤様式に個体差があることからヒト膵癌組織から膵癌オルガノイドを樹立し、膵癌細胞のphenotypeに応じて誘導される膵星細胞とその基質リモデリング能の解析を行うことで、膵癌phenotypeに応じた個別化治療を開発することを目的として研究を行ってきた。前年度までに樹立した8つのヒト膵癌オルガノイドを用いて膵星細胞との3次元共培養モデルを作製し、それぞれの膵癌オルガノイドをphenotypeごとに分類した。それぞれのオルガノイドをH.E染色を用いて形態学的評価を行うと、低分化型・中分化型・高分化型の3つのsubtypeに分類でき、いずれも実際の膵癌組織の形態を維持していた。オルガノイド培養を行う上で微小環境因子の添加を行うが、分化度が高くなるにつれて微小環境因子への依存性が高かった。微小環境因子依存性の高分化型膵癌オルガノイドは血清培地下では培養不可であるが、膵星細胞と共培養を行うと微小環境因子のない血清培地下でも培養可能であった。したがって、高分化型膵癌細胞は膵星細胞に依存してホメオスタシスを維持していることが示唆された。実際の組織標本においても、高分化型膵癌では低分化型よりも周囲の間質量が多い傾向にあり、高分化型phenotypeでは膵星細胞との相互作用により癌細胞自身のホメオスタシスを維持している一方で、膵星細胞の基質リモデリングが亢進している可能性が示唆された。これら膵癌オルガノイドをマイクロアレイ発現解析し、phenotypeに応じた細胞増殖パスウェイを比較解析した。高分化型phenotypeではメバロン酸代謝を中心とした脂肪酸代謝が亢進しており、一方で低分化型ではプロテアソーム代謝が亢進していた。以上から高分化型ではスタチン系薬剤、低分化型ではプロテアソーム阻害剤が有効である可能性が示唆された。今後はこれら薬剤を用いた治療効果判定を行い、有効性を検討していく予定である。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] An In Vitro Three-Dimensional Organotypic Model to Analyze Peripancreatic Fat Invasion in Pancreatic Cancer: A Culture System Based on Collagen Gel Embedding2019

    • 著者名/発表者名
      Okumura T, Ohuchida K, Nakamura M
    • 雑誌名

      Methods Mol Biol

      巻: 1882 ページ: 135~141

    • DOI

      10.1007/978-1-4939-8879-2_11

    • 査読あり
  • [学会発表] 膵癌微小環境を構築する骨髄由来細胞が膵癌浸潤を先導する2019

    • 著者名/発表者名
      岩本千佳、大内田研宙、安藤陽平、新川智彦、大坪慶志輝、進藤幸治、森山大樹、仲田興平、宮脇恒太、赤司浩一、江藤正俊、中村雅史
    • 学会等名
      第78回日本癌学会学術集会
  • [学会発表] 膵癌微小環境の制御に着目した既存薬剤を用いた膵癌治療の新たな展開2019

    • 著者名/発表者名
      相良亜希子、仲田興平、山下智大、松本奏吉、大坪慶志輝、新川智彦、安藤陽平、大内田研宙、大塚隆生、中村雅史
    • 学会等名
      第74回日本消化器外科学会総会
  • [学会発表] N-Acetyl-Cysteineによる活性化膵星細胞の不活化の検討2019

    • 著者名/発表者名
      馮海旻、森山大樹、大内田研宙、厳子龍、武居晋、岐部晋、永井俊太郎、進藤幸治、仲田興平、大塚隆生、中村雅史
    • 学会等名
      第119回日本外科学会定期学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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