卵巣癌における融合遺伝子の頻度やその臨床的意義は不明であった。本研究では卵巣癌に対するRNAシークエンス解析により網羅的に融合遺伝子を同定し、その臨床的意義を明らかにすることを目的とした。卵巣明細胞癌57症例に対してRNAシークエンスを実施し、独自の融合遺伝子同定アルゴリズムを用いて、卵巣明細胞癌に特徴的な融合遺伝子プロファイルを同定するとともに、17.%の症例がキナーゼ融合遺伝子に代表される治療標的融合遺伝子を保有していることを明らかにした。さらに一部の融合遺伝子がneoantigenとして認識され、腫瘍免疫に関連していることを見出し、融合遺伝子の臨床的意義を証明した。
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