研究課題
金属分散による熱膨張差を利用した化学機械応力の導入を各種の触媒材料について検討した。まず、光触媒については、新たにPtを分散したSrTiO3系について検討を行った。昨年度まで検討したAu分散系に比べると、Ptの系では熱膨張の大小の関係で圧縮応力が発生し、格子定数が収縮することを確認できた。この結果、バンド構造の変化はほとんど無く、Au分散による光触媒活性の向上が化学機械応力の発生によることを確認できた。一方、格子歪の導入効果として、巨大圧力ひねり加工効果を利用した化学機械応力の導入を検討した。その結果、GaN-ZnOやTiO2などにおいて巨大圧力ひねり加工処理により、酸素欠陥が導入され、光触媒活性が大きく向上できるとことを示した。とくに耐成分系のハイエントロピー合金を出発原料とする巨大圧力ひねり加工処理で作成した触媒は、大きな光触媒活性を達成することを示すことが分かった。レーザーアブレーション法での電極成分の製膜と基板との引っ張り応力による表面反応性の変化を検討した。今年度はp型およびn型電子伝導と酸素イオン伝導を示すAl添加CaTiO3とNb添加SrTiO3との複合化を検討した。ナノレベルの膜厚の薄膜化により、格子定数は変化しなかったので、格子歪は導入されなかったが、電子伝導は抑制され、酸素イオン伝導性を示す酸素分圧の領域が広がった。一方、La0.6Sr0.4FeO3(LSF)/Sm0.2Ce0.8O2(SDC)の積層ではLSFに引っ張り応力が発生し、伝導度の酸素分圧に依存しない領域が広がるとともに、酸素イオン伝導度が増加することが分かった。そこで、p-n接合により部分電子伝導を抑制し、酸素イオン伝導度を向上できることが分かった。以上より、化学機械応力は、部分電子伝導および酸素イオン伝導に大きな影響があることを系統的に明らかにすることができた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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