研究課題
骨・軟骨再生誘導シグナルネットワークとシグナル因子送達法の最適化:骨再生誘導シグナル因子についてはRunx2とSP7を、軟骨再生誘導シグナル因子についてはSox9に対して、RNA シーケンス法(RNA-seq)による網羅的な遺伝子発現解析、クロマチン免疫沈降シーケンス法(ChIP-seq)を行い、当該転写因子のゲノム標的と直接標的遺伝子を同定した。さらに、骨芽細胞と軟骨細胞において、新たにATAC-Seqを行い、オープンクロマチン領域を同定した。シグナル因子の送達に関しては、ハイドロゲルに炭素化合物をドーピングすることで、薬物放出制御ができる可能性を見出し検討中である。足場素材の三次元形状制御方法の最適化:統合インターフェースとなる高機能ハイドロゲルユニットと複合するための濡れ性・表面粗さについて、インクのpH・粘度、吐出量を変化させて検討した。高機能ハイドロゲルユニットの開発と四次元足場システムの創製:①水中での膨潤制御について、ゲル化臨界点直前のクリティカルクラスターをプレゲルとして用いて「クリティカルゲル」を作製し、浸透圧を低下させることで、長期に膨潤しないゲルを作製し、ウサギの人工硝子体として用いることに成功した。②水中での力学的強度保持については、θゲルの検討を行った。③網目サイズの制御については、クリティカルゲルにおいて、細胞が侵入できる程度の大きさのポアを作製する方法を見出し、検討中である。④3と協調した分解性制御、⑤生体適合性についても検討を行っている。
2: おおむね順調に進展している
全ての項目において、一部は前倒しで、その他はほぼ計画通りに進行しているため。
1. 骨・軟骨再生誘導シグナルネットワークとシグナル因子送達法の最適化については、後者に関しては、足場素材として開発しているハイドロゲルそのものの設計により送達までできる可能性が示されているため、その部分に集中する。2. 足場素材の三次元形状制御方法の最適化については、計画通りに進める。3. 高機能ハイドロゲルユニットの開発と四次元足場システムの創製については、新たなハイドロゲルが創製されつつあり、1との関連も含め、最も資源を集中する。4.動物実験による四次元足場システムの機能検証と再生メカニズムの解析については、動物実験を前倒しで進めていく。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件) 備考 (1件)
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