研究課題
2020年度は,目的達成のための以下の3つの項目を中心に実施した.①ズームコンデンサー光学系の開発・動作試験,②形状可変ミラーの形状安定化法の高度化,③集光X線波面の計測に基づいた補償光学システムの高度化.①:ズームコンデンサー光学系の開発では,ねじれ補正機能,重力補正機能,熱膨張の補正機能等の高度な機能を有する,新型形状可変ミラー(ピエゾ駆動のバイモルフミラーと機械式ベント機構を持つハイブリッド型)を開発した.SPring-8にてこの光学系のフィージビリティテストを実施したところ,有限要素法で予想した挙動を確認することができた.同様のズームコンデンサーシステムの開発を,アメリカのDr. Lahsen Assoufidのグループと共同でAPS(米国,シカゴ)にて実施する予定であったが,新型コロナウイルスの影響でSPring-8での代替実験を行いAPSのグループはリモート参加となった.所期の性能及び十分なフィジビリティを確認し,本研究の出口の成果となるAPSビームラインへの導入のための準備を完了した.②:ピエゾ素子のドリフトを抑制する手法や機械式ベント機構の熱膨張を補正する手法の高精度化を進めた.可視光干渉計を使って精密にドリフトや熱膨張の影響を観察した.その挙動と有限要素法でシミュレーションした結果を比べ,上記手法の改良を行った.③:波面計測法(インラインフォログラフィ,ペンシルビーム,グレーチング干渉計,タイコグラフィ,スペックル計測,蛍光強度干渉法)の高度化を進めた.以上の項目を実施・高度化することで,自由にX線集光ビームのサイズを制御できるズームコンデンサシステムの開発に成功した.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www-up.prec.eng.osaka-u.ac.jp/index.htm