研究課題/領域番号 |
16H06360
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長 康雄 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40179966)
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研究分担者 |
山末 耕平 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (70467455)
平永 良臣 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (70436161)
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研究期間 (年度) |
2016-05-31 – 2021-03-31
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キーワード | 走査型非線形誘電率顕微鏡 / 界面順位密度 / MOS界面 / 次世代パワー半導体 |
研究実績の概要 |
本年度は次世代パワーデバイスとして期待されているGaN MOS界面の評価に関して大きな進展があった。SiC界面の場合と同様に明らかにGaN界面も熱エネルギーより大きくキャリアが超えることの難しいポテンシャル障壁揺らぎが存在することが分かった。更にポテンシャル揺らぎを起こす起源を明らかにするため、局所C-V曲線の特徴点V1、V2、V3を定義しSiO2/SiC界面とAl2O3/GaN界面のポテンシャル揺らぎを比較分析した結果、SiCは電子蓄積側で主に揺らぎが起こっておりGaNは空乏側で起こっていることより、SiCはアクセプタのトラップがGaNはドナー型のトラップが大きな揺らぎを引き起こす原因である事が明らかになった。 上記は今までDitの平均値で議論され、界面は欠陥分布も含めて均質であると信じられていた半導体業界の常識を覆す成果であり、このポテンシャル揺らぎ問題を解決する事なしには、ワイドギャップ半導体を用いた高移動度のパワーMOSデバイス実現は不可能である事を指摘した。 更にSNDMRの装置開発を行い完成した。磁場は360℃回転でき5000G以上までかけられ、温度は極低温(30K)から常温迄コントロール可能とした。スピン反転用マイクロ波磁界の周波数可変範囲と最高強度はそれぞれ1~20GHzと0.23Gで、ESR計測に十分な値を達成している。 欠陥密度Nt=1012cm-2の測定サンプルを半径150 nmの探針電極を用いて信号検出を行うという仮定のもと試算を行ったところ、1.3×10-19 F/V程度の信号強度が得られるとの結果を得ており、現行のSNDMによって十分検出可能な信号強度である事が分かった。そこで、この装置を用いての実験を行なっているが、サンプル供給の問題も相まって現状では再現性に問題があり、確立したデータとして論文等で公表する段階には至っておらず、研究を継続中である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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