研究課題/領域番号 |
16H06585
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩谷 將 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (80779562)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | 中国 / 政治体制 / 訓政 |
研究実績の概要 |
本年度の研究計画は研究環境の整備を行うことに留意しながら基礎資料の収集、未公刊史料の収集、収集資料の整理・データベース化を目標としてきた。 第一に、基礎資料については、当初掲げた『蒋中正総統档案―事略稿本』、『蒋中正先生年譜長編』、『中華民国史档案資料彙編』などの資料集などはおおむね入手するとともに、『中国現代政治史資料彙編』、等入手の困難な史料集なども一部入手することができ、研究活動の環境を著しく向上させることができた。 第二に、未公刊史料の収集については、当初予定していた台湾の国史館が閲覧規則を変更したことにより混乱が続いていたため、第二年度に予定していたスタンフォード大学フーバー研究所、コロンビア大学稀覯書および手稿図書館を含む米国での調査を前倒しで実施した。米国の調査においては、蒋介石日記のほか、孔祥熙文書、宋子文文書、熊式輝文書など研究課題と関連する文書を調査、収集し、指導者の認識に関する史料を入手することができた。台湾での調査については次年度の実施を予定しており、閲覧規則の変更による混乱が収まり、具体的な手続きが定まり次第執り行う予定である。 第三に、収集資料の整理・データベース化については28年度の米国における調査実施分については終了した。また、あわせて29年度に国史館等で収集予定の史料の検討、検索を実施した。また、以上の準備を土台として収集資料の分析を逐次実施中であり、現在29年度の投稿に向けて論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第一に、基礎資料の収集については、当初収集を予定していた資料をほぼ収集することができ、研究に必要な環境が整えられた。さらに、入手が困難な資料についても入手できたことから、この点については当初の計画以上に進んでいるといえる。 第二に、未公刊史料の収集については、当初予定の台湾での史料館訪問が規則変更によって見通しが不明瞭となったため、米国への調査へと変更した。分量からいえば、台湾で予定していたの調査の方が多いため、米国調査との入れ替えは進捗に多少の遅れをもたらしたが、台湾での調査は事前に机上で実施できることから、全体として、遅れは軽微なものにとどまった。 第三に、収集資料の整理・データベース化については28年度の米国における調査実施分については終了した。収集資料の整理・データベース化についても調査の米国への変更にともなう影響はあったものの、台湾については机上調査が可能であったため、結果として想定より進捗している。 以上から、計画全体としておおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度については、台湾での調査を実施するとともに、それらの成果を整理、分析したうえで、年度内の論文執筆と投稿を目指す。 台湾での調査が第二年度にずれ込む可能性については、計画当初から一定程度予想しており、その対策として事前の机上調査を行うことを予定していたため、進捗に対する影響は軽微である。 可能な限り年度の前半に台湾調査を実施し、同時並行して前年度の収集資料の分析と突き合わせながら年度内の論文執筆および投稿を目指したい。
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