本研究では、骨細胞性骨溶解の可能性を確実にするため、破骨細胞が存在しないRANKL-/-マウスおよび血中Ca濃度が低下している授乳期マウスを用いて実験を行った。原子間力顕微鏡(AFM)により骨細胞周の骨基質の弾性率は低下し、透過型電子顕微鏡(TEM)観察するとやや拡大した骨小腔は粗造な壁面を示し、骨小腔内部にはコラーゲン線維が分解されたと思われる不定形構造物を認めた。また骨小腔周囲には一層の骨基質が観察され、42Ca安定同位体を用いて同位体顕微鏡にて観察すると骨小腔周囲に一致して42Ca安定同位体の沈着が認められた。以上より、骨細胞は周囲骨基質を溶解し、その後石灰化沈着する可能性が示唆された。
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