本研究では複数のHLA-DR分子に結合可能である、PD-L1特異的なペプチドPD-L1 241-265 peptideを同定した。このペプチドを使用して誘導されたHTLクローンは、PD-L1を発現している頭頸部癌をはじめとする腫瘍細胞株へ応答性を有しており、共培養によりIFN-γ等のサイトカインの分泌を認めている。またこのHTLクローンはPD-L1陽性腫瘍細胞株に対して抗腫瘍効果を認め、ヒト腫瘍細胞株を移植したヌードマウスモデルにおいても腫瘍の増大を抑える結果となった。このことから、PD-L1 241-265 peptideを用いたヒトへの癌ワクチン療法への応用が期待される結果となった。
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