研究課題/領域番号 |
16H06613
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 雅之 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (50781308)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | メモリ / 低消費電力化 / アドレスマッピング |
研究実績の概要 |
メニーチャネルメモリにおいてはチャネル数が飛躍的に増加することが期待されている.そこで,メニーチャネルメモリにおけるチャネルとそこに接続されるメモリバンクを電力制御が可能なユニット単位(電力ドメイン)とみなし,アプリケーションの実行時性能の維持に必要なメモリバンド幅の実現に充分な電力ドメインのみを有効化しつつ,不要なドメインを待機電力モードに移行させる手法の実現を目指す.これにより,高い電力あたりの性能を実現する.本年度は,チャネル数制御の具体的な方策の検討と,アプリケーションごとに必要なチャネル数を見積もり方法の定式化に取り組んだ.前者の取り組みについては,アクセスを行うチャネルを決めるために,メモリアドレスマッピングによって生成されるチャネルアドレスが利用されていることに着目し,チャネルアドレスの生成手法を変更可能なメモリアドレスマッピング手法を提案した.これにより,アクセスが発行されるメモリチャネルを限定し,その数を意図的に調整できることを明らかにした.また,この調整によって,そこに接続されるメモリアレイのアクティベートされる回数を抑制可能であり,メニーチャネルメモリの低消費電力化が可能であることを明らかにした.後者の取り組みについては,アプリケーションの実行バンド幅とチャネル数を削減した場合の性能低下の関連性について調査を行い.アプリケーションの実効バンド幅によって,性能を維持可能なチャネル数を決定できることを明らかにした.両取り組み内容は,低消費電力マイクロプロセッサに関する国際会議COOL Chipsの口頭発表に採択され,評価されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はメニーチャネルメモリのためのチャネルアクセス制御手法について取り組んだ.本取り組みでは,アクセスを行うチャネルを決めるために,メモリアドレスマッピングによって生成されるチャネルアドレスが利用されていることに着目し,チャネルアドレスの生成手法を変更可能なメモリアドレスマッピング手法を提案した.これにより,アクセスが発行されるメモリチャネルを限定し,その数を意図的に調整できることを明らかにした.また,チャネル数を決定するための基準の決定を行った.アプリケーションの性能低下を招かないためには,アプリケーションが必要とするメモリバンド幅に基づき,メモリシステムが実現可能なバンド幅を設定しなければならない.このため,アプリケーションの実効メモリバンド幅からメモリシステムとして確保するべきチャネル数を決定する手法の構築を行った.以上の結果から,次はチャネル数を動的に変更させるためのデータ移動(マイグレーション)の方法の検討に移ることができるため,おおむね予定通りに進捗しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,メモリチャネル数を変更する場合のデータマイグレーションの具体的な方法と,より深い低消費電力モードの活用に取り組む.前者においては,本システムを実用的なものとするために,アプリケーションの実行中にもデータのマイグレーションを行いつつチャネル数を切り替える手法が必要である.このマイグレーション方法の検討には,これまでの検討で利用・開発してきたgem5シミュレータを用いて検討を進める.また,より深い低消費電力モードの利用を検討のためには,各低消費電力モードの切り替えオーバーヘッドを含めて評価を行う必要がある.上記のgem5シミュレータを利用するほか,必要に応じてより詳細なオープンソースのDRAMメモリシミュレータを利用することを考慮する.
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