研究課題
小児先天性心疾患に対する外科治療において、人工臓器技術の応用によるニーズは増加しており、小児用補助循環デバイスの早期実用化が望まれている。現在我々の研究グループでは、Fontan循環サポートのための小児用肺循環装置の開発に取り組んでいる。本研究では、複雑な血行動態を伴う小児先天性心疾患の病態メカニズムを生理学的解剖学的に高度に再現するモデル循環シミュレータの開発を行なう。本研究により具現化するモデルシミュレータ試験系により、先天性心疾患の臨床病態生理に基づくFontan循環の総合的非臨床評価試験系を構築が実現される。動物新鮮摘出肺を用いて、シリンダ型リニアアクチュエータにより呼吸変動を再現する肺モデルの開発を行った。新鮮摘出肺モデル循環回路により得られた肺循環の血行力学データを解析し、呼吸性変動を伴う肺循環の変動を再現でき、吸気時に肺動脈に逆流を生じる循環動態を再現するとともに、肺血管インピーダンスの定量解析が可能であり、Fontan循環補助デバイスの評価のための試験系としての有用性が示唆された。また、健常成ヤギを用いた動物実験を行い、Fontan循環動物実験モデル構築を試みた。上下大静脈と肺動脈を、人工血管を介して吻合するFontan手術(EC-TCPC術)を成山羊に施行した。体循環維持のために左心補助人工心臓を用いることで、健常成山羊でも比較的容易に先天性心疾患の特殊な肺循環を再現する急性動物実験モデルが構築可能となった。先天性心疾患の複雑な病態生理学的にも高度な再現性をもつ肺循環シミュレーションシステムを構築し、Fontan循環補助デバイスの実機評価試験システムを開発するともに、先天性心疾患の臨床病態生理に基づくFontan循環動物実験モデルを考案し、循環補助デバイスの総合的な非臨床試験評価試験系を構築した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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医工学治療
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Medical Engineering and Preclinical Studies
巻: 4 ページ: 15-18