2016年に実施された全国遺族調査のデータを取得し、量的・質的分析を行った。経済的理由による治療の中止・変更を経験したのは15%、治療継続のための生活の切り詰めを経験したのは16%だった。治療の経済負担が治療自体や日常生活に影響をあたえる関連要因として、年齢の若さ、治療中の家計のゆとりが少ないこと、無職であること、都市部以外に居住していること、など社会経済的な要因があげられた。経済的負担の内容の詳細は「治療のための患者本人の就労制限のための家計の切迫」「介護のための家族の就労制限による家計の切迫」が主な記述であり、これらに対する社会資源の重要性が強調された。
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