研究課題
今年度は、レセプトNDB集計表情報を利用して、わが国の帝王切開件数の年間推計及び都道府県別帝王切開率の算出を行い、論文投稿を行った(現在査読中である)。集計表情報の解析結果からは、都道府県別帝王切開率は母の年齢で調整後も2倍近い差があり、かつ医療供給体制と関連する可能性が示唆されたが、研究上の制約(都道府県単位、臨床的背景が不明、里帰り出産を考慮出来ない)もある。来年度以降、帝王切開率の地域差について、臨床的要因も含めた二次医療圏単位での検討を行いたい。厚生労働省に「レセプト情報等の提供に関する申出」を行い4月に利用が承諾された所である。また、医療供給体制を詳細に評価するため、統計法33条に基づく医療施設調査の利用申請も行い、解析を行っている。なお、帝王切開率上昇の一因である晩産化の背景を探るため、妊孕性に関する情報提供のあり方についての研究も進めている。平成29年1月には、平成27年に情報提供を実施したコホート(1455名男女)の追跡調査を行い、2年経過時点での妊孕性知識、心理、家族形成状況について調査した。各国で効果的な情報提供のあり方について様々な調査が行われているが、長期間の効果を評価した報告はない。現在、結果の解析中であり、平成29年度中に公表を予定している。
2: おおむね順調に進展している
予定通り、論文投稿を行った。また、レセプト情報等の提供に関する申出や統計法33条に基づく申出(医療施設調査)を行い、これから解析を行うところである。
医療供給体制及び産科医療の集約化が帝王切開の実施に与える影響について、二次医療圏別の検討を行う。1)臨床的背景の地域差を考慮するため、年齢階級別の集計に加え、傷病名の出現頻度を記述する。2)医療供給体制(医師数等データ及び手術を実施した曜日)と帝王切開実施件数の関連を分析する。医療施設調査による平成26年9月分の分娩数・帝王切開数を用いて里帰り分娩に関する感度分析も行う。3)妊娠管理及び帝王切開を実施した医療機関の分布を、妊婦のリスク別(傷病名別、ハイリスク加算の有無別、輸血の有無別)に集計し、地域医療の集約化の状況を明らかにする。
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