昏睡状態では、意識の消失、不動化、覚醒レベルの低下を伴う。橋核のPB 核を損傷すると運動失調および昏睡状態に陥り、その後死亡する。本研究では覚醒を促進するメカニズムを明らかにするため、昏睡状態のモデルマウスを作成し、覚醒に関わる脳神経細胞や神経サーキットを人為的にコントロールする。IVM-GLu-Cl を用いてPB 核の働きを抑制すると運動失調および昏睡状態に陥る。PB 核損傷マウスにおいてLC ノルアドレナリン細胞あるいはvPAG ドーパミン細胞の活性が昏睡状態からの回復、すなわち覚醒促進に重要であるという仮説を立て、生化学的手法を用いてこれらの核の活性化を行い仮説を検証した。
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