研究実績の概要 |
1.HELZ2のPPARgおよび糖代謝、インスリン抵抗性への機能を解明に関する研究 HFD負荷下におけるHELZ2 KOマウスは16週令以降より肥満抵抗性を示すため、18週令前後のND負荷下のWTマウスおよびHELZ2 KOマウスにPPARgのリガンドでインスリン抵抗性改善剤として糖尿病治療に使われているピオグリタゾンを1週間腹膜内投与をした。1-2週間投与したマウスの耐糖能およびインスリン感受性をIPGTT、ITTを行い確認した。その結果、NDではWT,KO間で体重変化および脂肪重量の変化は認めなかった。糖負荷試験では、両軍ともピオグリタゾンの効果と思われる血糖低下を認めたがKOマウスではその効果は減弱した。インスリン負荷試験では差は認めなかった。これはインスリン投与前の血糖値が高くないためと考えられた。HFD負荷下ではもともとKOマウスは肥満抵抗性を示すが、WT,KO間で体重変化に差は認めなかった。糖負荷試験、インスリン負荷試験ともに、KOマウスでもピオグリタゾンの効果は認めるもののWTより減弱していた。この結果はおおむね予想通りであり、HELZ2が生体内の脂肪組織においてPPARgの転写活性型共役因子であることが確認できHLEZ2の機能を解析する上で、重要な発見であった。 2.HELZ2のサーカディアンリズムの解明に関する計画 ND負荷下のWTマウスにおける、肝臓、白色脂肪組織、褐色脂肪組織におけるHELZ2のmRNAの発現量の変化の日内変動を確認した。その組織においてもHELZ2のmRNA発現量h1.5倍程度の変化を認めた。これは時計遺伝子と比較すると変動は大きくないが、時計遺伝子にかかわる核内受容体の共役因子として機能するならば、KOマウスでは時計遺伝子の発現量の変化がる可能性を示唆する結果であった。
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