研究課題
糖尿病性足潰瘍は、その前段階で多くの場合胼胝(べんち, たこ)を形成するため、胼胝形成を予防することが足潰瘍発症予防に効果的であると考えられる。今までに明らかにしてきた胼胝形成要因であるせん断応力圧力比(SPR: Shear stress Pressure Ratio)と胼胝形成のカットオフ値、胼胝形成に関わる歩行中の下肢の動きと靴の要因より、本研究は、糖尿病神経障害患者においてせん断応力圧力比(SPR)を考慮した胼胝形成予防介入効果を検証することを目的とした。臨床で患者に対し介入をおこなう前段階として、若年健常者において適切な靴を着用した場合と適切ではない靴を着用した場合のせん断応力圧力比(SPR)を比較した。第一中足骨頭部の胼胝形成は、立脚相後期における膝関節の屈曲が少なく、足関節を回内させた蹴り出しと関連していることを以前の研究で示している。そのため、立脚相後期における蹴り出しをロッカーソールを着用しサポートすることで、せん断応力圧力比(SPR)が低下すると考え、適切な靴として義肢装具士が作製したロッカーソール靴を用いて介入を行った。その結果、適切な靴を着用した場合に胼胝形成に関連する外力であるせん断応力圧力比(SPR)が有意に低下した。歩行速度が遅くなると、外力は低下するが、今回の実験では靴の種類により歩行速度に有意な差はなかった。更に、今後臨床で胼胝形成予防介入をおこなう際に、胼胝の評価を定量的におこなう方法がないことが課題であった。そのため、現在一般的に行われている見た目による主観的評価と胼胝を削った角質の重さを計測する方法を比較し、妥当性を検証した。その結果、胼胝を削った角質の重さを計測する方法は胼胝の評価として妥当であることが示された。翌年度より臨床調査を行うための前段階として計画していた研究について、結果を出すことができた。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
Conf Proc IEEE Eng Med Biol Soc.
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Journal of Diabetes Research
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10.1155/2016/3157123
Journal of Diabetes Science and Technology
巻: 10(6) ページ: 1353-1359
10.1177/1932296816648164
Advances in Skin & Wound Care