研究実績の概要 |
本研究では、Network Function Virtualization (NFV) のようにソフトウェア化された通信基盤において障害を迅速に検知可能な監視機構を研究開発する。この監視機構は、ネットワーク上で提供される機能の1) 疎通確認、2) 経路確認、3) 正常性確認を可能とする。NFVでは、これまでハードウェアにより提供されていた様々なネットワーク機能(ルータ, NAT, ファイアウォールなど)が仮想化されたソフトウェアにより提供され、 それらを利用者の要望に応じて自由に組み合わせられるようになる。しかし、従来のIPによる転送制御とは異なり、利用者・サービスによって経由する機能が制御される。そのため、既存のIPネットワークで利用されているICMPを元にした死活監視・経路確認ができない。 平成29年度は、特にオープンソースソフトウェアと独自に実装したNFV制御機構を利用したNFV基盤の実装と、その上での障害検知を行った。汎用的なNFV基盤は大規模で複雑になりがちである。そのため、コンテナ技術を利用した軽量なNFV機構を提案・実装した。また、当機構の有用性と性能を評価するために100名規模の利用者がいるイベントネットワークにて当機構を設置し運用を行い、評価・運用・障害検知に関わる知見を集めた。本成果については、論文にまとめ研究会にて投稿・発表を行った。今後も性能の改善等を含めた研究を別途遂行する予定である。
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