研究課題/領域番号 |
16H06688
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田辺 弘子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (60780666)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | 運動制御 / 生体工学 / バイオメカニクス / 感性工学 |
研究実績の概要 |
ダンサー・ファッションモデル・その他の健常女性の動きの美しさを定量することを目的として、ヒール歩行・裸足歩行・裸足つま先歩行を動作課題とした予備実験を行った。4名のキネマティクスデータから関節角度・トルク等のパラメータを算出し、ヒール歩行・つま先歩行・通常裸足歩行の差異を定性的に検出した。 今後の本実験のプロトコル・具体的な解析方法に関して国内外の研究者(制御工学・情報学・心理学・芸術学)とミーティングを行った。そこで「歩行の美的評価を行う際に、被験者の動作データあるいは映像を提示すると、被験者の動きだけでなく見た目(スタイル等)の美的評価も含まれるため純粋な動きの美的評価ができない」「Observerに評価してもらい美的要素の示唆を得るだけにとどまらず、統計的に歩行の美的評価モデルを作成すべき」という課題が挙がったため、新たな実験計画を構築した。具体的な追加点は、美的評価をobserverに提示するアニメーションとしてアバターにキネマティクス情報を与えて動かす点(被験者の見た目の美しさの情報を除外するため)、および統計的に歩行の美的評価モデルを作成するという点である。 実験・解析の協力依頼(データ取得環境・被験者リクルート・解析の協力依頼)を関連企業・研究機関・大学研究者に行い、共同研究の手続きを進めた。本実験としてのデータ取得を2017年5月に開始(場所は関連企業あるいは研究機関)する計画で準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験課題およびプロトコル、解析方法に関して様々な共同研究者(関連企業・研究機関・大学)とミーティングを行う中で、修正すべき箇所が出てきたため。また、バレエダンサーおよびファッションモデルの被験者の確保に想定以上に時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
5月に本実験(80名の歩行動作解析)を関連企業あるいは研究機関で行う予定である。さらに6月にObserver提示用のアバターを作成し、各被験者の歩行動作を埋め込んだアバター映像を作成する。7月から9月にはインターネット上で100名程度にアバターを提示し美的評価を行わせ、上位群と下位群を切り分けるパラメータの抽出作業を行う。10月から12月にはマルチレベルモデルを用いて歩行の美しさを評価するモデルを構築する。その後はデータをまとめ、学会発表および論文化を進める予定である。
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