運動時の骨格筋グリコーゲン回復の促進方法について、グリコーゲンの合成に焦点を当てた検討はこれまで多くなされてきた。一方、グリコーゲン濃度を高めるためには、糖質のエネルギー利用を抑えることも有効と考えられるが、運動後の回復期の糖質のエネルギー利用の抑制がグリコーゲン回復促進に繋がるかは検証されていない。そこで、運動後の骨格筋での糖質のエネルギー利用の抑制はグリコーゲン回復促進に繋がるか、明らかとすることを目的として、検討を行った。 本年度は、糖の酸化利用を抑えることが期待される栄養物質であるケトン体が、運動後の骨格筋グリコーゲン回復に与える効果を検討した。 水泳運動直後の雄性ICRマウスより滑車上筋を摘出し、生理的濃度のグルコースとインスリンを含む培養液に、ケトン体を生理的範囲内で濃度を振って添加し、一定時間培養後に骨格筋グリコーゲン濃度を測定した。その結果、ケトン体の添加によって、骨格筋グリコーゲン回復が促進されるという結果が得られた。
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