本研究では、戦国期の室町幕府発給文書のうち、10代義稙から15代義昭までの足利将軍と、その側近が発給した文書を中心に集積し、検討することを目的としており、各種史料集や自治体史からの蒐集、各地の博物館・図書館などで所蔵する史料の調査などを行った。 成果としては、将軍発給文書なども収めた故実書である「大和家蔵書」全十二冊のうち、八冊分を翻刻し、戦国期の幕府を考える上でも重要な外様衆・奉公衆についてまとめた『室町幕府の外様衆と奉公衆』を刊行した。また約340通を確認した10代義稙の発給文書については、現在史料集として刊行するべく作業中である。
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