研究課題/領域番号 |
16H06699
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 宙治 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 助教 (20779392)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | 法社会学 / 子ども法学 / 子どもの地位 / 法の実証分析 / 法意識 |
研究実績の概要 |
昨今、選挙権年齢・成年年齢・少年法適用年齢などについての引下げの実施や議論が活発化しており、子ども(未成年者)の法的地位のあり方、子どもと大人の境目のあり方について、社会的に大きな注目が集まっている。本研究は、子ども(未成年者)の法的地位をめぐる日本人の法意識を実証的に解明したうえで、急務となっている子どもの法的地位についての体系的な理論構築を行い、政策提言を行うことを目的としている。 本年度は、主にデータを収集・分析するために、次の2つの調査を行った。第一に、各種の法定年齢について、人々がどのような意識・態度を持っているのかを明らかにするためのオンライン調査を実施した。一般人800名に、主な法定年齢(26項目)が何歳であるべきかなどについて網羅的に回答してもらった。そのうえで、回答者が持つ社会的態度や属性によって、回答内容にどのような違いがあるかなどを分析した。各種の法定年齢をめぐる一般人の法意識の現状を明らかにし、その背後にある構造を解明する手がかりとなる量的データを収集することができた。収集したデータについては、すでにおおむね計量分析を終えており、2017年度日本法社会学会学術大会にて研究報告を行う予定である。第二に、子どもが深く関連する具体的な法分野の一つとして、親の離婚(親権紛争)に焦点を当てて、国内の実務家を対象とするインタビュー調査にも着手した。本年度は約10名の実務家のインタビューを実施し、実務家の法意識に関する質的データを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおりに2つの調査を実施し、順調にデータの収集・分析を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度となる2017年度は、当初の計画どおり、質的データの収集を引き続き行ったうえで、すでに収集済みの量的データと合わせて、総合的な分析を行う。子どもの法的地位についての理論構築と政策提言を行う予定である。また、国内外の学会での研究報告と論文執筆を行う予定である。
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