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29年度に行った口頭・論文による発表は，本研究課題(言語の多様性・異質性と経済活動に関連する研究)で実施する予定である以下の二つのプロジェクト，
(i)言語的多様性・異質性が経済発展に対して与える影響を，国際比較しながら実証的に分析する．
(ii) 国際移住に伴うskill transferに纏わる言語的摩擦と，移住に関する意思決定との関係を，空間経済理論的に分析する．
のうちプロジェクト(ii)に対応した内容に基づいた実績である．プロジェクト(ii)では，使用言語が異なるという設定のもと，労働力の国際移転に伴う摩擦費用を導入した空間経済モデルを用いることで，高スキル労働者の国際的な空間分布を解析的に分析した．当初予定では2か国2言語モデルによる解析的・数値的分析を主に計画しており，これについては，論文として公開している．加えて，摩擦費用の非対称性を導入してnか国n言語モデルに拡張した分析を解析的に行い，これについては国際学会等での口頭発表を行った．また，安定均衡で達成される高スキル労働者の分布のみならず，社会的に最適な高スキル労働者の分布についても解析的に一定レベルの議論を行った．ただし，解析的な分析では限界があり，数値シミュレーションによって分析を補完する必要があるが，これについてはまだ行っておらず，論文としてはまだ公開するに至っていない．
28年度に主に取り組んでいたプロジェクト(i)に関しては本年度は発表などは行っていない．
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