研究課題
本年度は,初年度に開発した筋骨一体型の腱駆動前腕ハンド系を用い,環境接触やそれらの制御などヒューマノイドの動作生成を中心に研究を進め,ヒューマノイド自身による環境掌握と自己身体負荷の保持を伴うぶら下がり動作等を実現した.また,対象物へのリーチングや環境操作に取り組んだ結果,以下のような課題が生じたためこれらの解決にも取り組んだ.1. 人体模倣腱駆動構造における実機モデル誤差:人体模倣腱駆動構造は,ハードウェア柔軟性や多様な身体自由度を備えている反面,実機モデル誤差が大きく,リーチングにおけるエンドエフェクタの位置精度・再現性が低い.この実機モデル誤差を改善するために,実機の視覚や筋張力といったセンサ情報を用いてモデルベースの筋-関節空間マッピングを実機ベースへと修正していくことで,対象へと正しくリーチングを行う手法の構築を進めた.また環境認識のための視覚システム構築も並行し進めた.2. 腱駆動構造におけるエンドエフェクタでの接触力推定と制御:筋・触覚を利用した環境接触を扱うために,手先足先エンドエフェクタにおける制御と環境反力推定に取り組んだ.エンドエフェクタ作業空間での制御を行うために,その土台となる関節空間及び筋空間での制御法の確立に重点的に取り組んだ.筋骨格腱駆動構造は,従来型ロボット構造と異なり筋空間が存在することに加え,ハードウェア的な柔軟性も有するため,これらを踏まえた動作生成を検討する必要があった.身体特徴である筋の張力制御を行うことで関節トルクを制御し,足先での柔軟な環境操作を実現した.3. 環境把持における能動的な親指駆動:実世界での環境把持には単なる棒形状以外にも複雑な形状や方向性を持った物体が対象となりうる.これらを能動的に把持するためには親指駆動が重要であると考え,広範な親指駆動のための機構設計に取り組み,多様な物体に対する能動的な把持を実現した.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件)
IEEE Robotics and Automation Letters
巻: 3 ページ: 772~779
10.1109/LRA.2018.2789849
Science Robotics
巻: 2 ページ: eaaq0899
10.1126/scirobotics.aaq0899
巻: 2 ページ: 2119~2126
10.1109/LRA.2017.2720854