本研究では,ヒューマノイドが環境に掴まり自身の体を支えながら移動を行う環境掌握移動の実現を目的とする.そのためには環境を把持しヒューマノイドの自重を保持可能なハンドが必要なため,人体の前腕ハンド構造に学び前腕とハンドを独立ではなく一体としてとらえた人体模倣前腕ハンド構造を開発した.五指ハンドは,切削ばね関節を用いて環境接触に適した構成とし,前腕は筋骨一体設計による二筋モジュールを用いることで,小型さと駆動性能を兼ね備えた構成とした.これらを筋骨格ヒューマノイド腱悟郎へ搭載しぶら下がり運動を実現することで開発した腱駆動前腕ハンド系が環境把持を伴うヒューマノイドの全身運動に有効であることを示した.
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