好中球と免疫複合体の相互作用を阻害できる薬剤の同定を目指した低分子化合物ハイ・スループット・スクリーニングによって神経伝達物質アナログが複数発見された.白血球を病態の首座とする免疫学的組織障害モデルを,腎のみならず関節や皮膚を標的として導入し,これら薬剤を投与したところ一部で病態が改善した.また,腎臓における病理組織学的検討では間質領域に末梢神経に特異的とされるシグナルが認められた.さらに,神経ペプチド前駆体を欠損した遺伝子改変マウスを入手して上記の薬剤投与モデルで変化の見られた炎症疾患モデルに及ぶ影響も検討したところ,野生型に比してノックアウトマウスでは病態に変化が見られた.
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