研究課題/領域番号 |
16H06763
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤崎 万裕 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任助教 (80782169)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | フレイル予防 / 住民主体活動 |
研究実績の概要 |
本研究は、飯島ら(東京大学高齢社会総合研究機構)が2013年度よりフレイル予防介入を行ってきた千葉県柏市のフレイル予防サポーターと、今後フレイル予防介入を展開する予定である地域(神奈川県茅ヶ崎市・厚木市等)のフレイル予防サポーターを対象として、フレイル予防サポーターの①活動参加動機による類型化と②活動継続要因を明らかにすることを目的とする。 研究A(フレイル予防サポーターの活動参加動機による類型化)では、先行研究のレビューおよびフレイル予防サポーターへのヒアリング調査・検討委員会で、サポーター活動参加動機に関連する要因の検討を経て、質問紙調査を行い、フレイル予防サポーターの類型化を行う。 研究B(フレイル予防サポーターの活動継続要因の明確化)では、研究Aの結果を踏まえ、継続的な質問紙調査によりフレイル予防サポーターの活動継続要因を具体的に明らかにする。 2016年度は、研究Aについて①先行研究のレビュー、②サポーターへのインタビュー調査、③質問紙調査票の開発、④第一回質問紙調査を実施した。①先行研究のレビューでは、サポーター活動参加動機に関連する要因を行動理論等を参考に検討した。②サポーターへのインタビュー調査では、柏市のフレイル予防サポーター13名にインタビュー調査を行い、サポーター活動への参加に至るまでの各々の経緯と参加動機について具体的に把握するとともに、帰納的に活動参加動機を類型化した。③質問紙調査票の開発では、①・②で検討された参加動機とそれに関連する要因を質問項目として組み込み、④第一回質問紙調査では、サポーター55名に対し研究の説明・同意を得て、54名から質問紙への回答が得られた。 また、2015年度に実施されたフレイル予防サポーターへの質問紙調査のデータを研究チームで共有し、データの二次分析結果の学会発表と②インタビュー調査に向けてインタビューガイドの洗練を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フレイル予防サポーターの活動参加動機による類型化を行うことを目的とする研究Aについて、①先行研究のレビュー、②サポーターへのインタビュー調査、③質問紙調査票の開発、④第一回質問紙調査をほぼ計画の通り実施することができた。 今後は、④で得られた回答を詳細に分析するとともに、可能であれば、調査対象となる自治体・サポーターの数を増やし、エビデンスレベルを高めていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
2017年1月に調査を実施した研究Aの④第一回質問紙調査で回答の得られた3市のフレイル予防サポーター55名(うち、10名は初回質問紙調査のみデータを取得する)に加え、今後は調査協力自治体1市を増やし、2017年4月に新規に養成されるフレイル予防サポーター15名のデータを追加できる見込みである。これによって、研究Aの結果のエビデンスレベルを高めるとともに、研究B(フレイル予防サポーターの活動継続要因の明確化)の目的を縦断質問紙調査によって明らかにしていく予定である。 今後は、2016年に実施した研究Aの②インタビュー調査結果をまとめ、学会発表ならびに論文投稿にて研究で得られた知見を速やかに社会に還元するとともに、研究Aの④第一回質問紙調査のデータを用いて客観的な指標でのサポーターの類型化を早急に進めていく。また、研究Bの縦断質問紙調査を継続して行い、フレイル予防サポーターの活動継続要因の明確化に努めるとともに、フレイル予防サポーターの意識変容・行動変容過程をモニタリングする。 上記調査・分析の実施によって、2017年度はフレイル予防サポーターによるフレイル予防活動をより効果的に推進することのできる環境・体制づくりを自治体職員とともに検討していく。
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