薬用植物の栽培活用は、社会交流、脳の刺激、そして中~低強度の身体活動を日常的にもたらしている可能性がある。農村地域在住の65歳以上の高齢者を対象にインタビュー及び質問紙調査を行い、社会関係資本や認知機能に与える効果を質的及び量的に検証した。結果、町による栽培活用の普及振興事業は、多様な知識や技術を持つ住民同士を結びつけるネットワークとして機能しており、個人およびグループで薬用植物の栽培加工利用に関わることで構造的ソーシャル・キャピタルを強化できる可能性が示唆された。さらに薬用植物の栽培加工利用に興味を示したものの自宅で実践できていないものは、認知症のハイリスク群である可能性が示唆された。
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