多発性筋炎(PM)患者の筋線維ではMHCクラスI発現が健常人より亢進しており、PM患者のヒト(h)iPS細胞から分化した筋細胞のMHCクラスI発現を健常人と比較し、発現の差に寄与する分子を同定すれば、PMの新規治療に応用可能と考えた。 健常人/PM患者のhiPS細胞クローンに対し、筋原性転写因子MyoDを導入し、無数のMyoD-hiPS細胞サブクローンからなるバルクとバルク細胞の筋分化条件を樹立した。同一患者の複数のMyoD-hiPS細胞バルクは、同様の筋細胞へと分化したが、蛋白産生には差を認め、hiPS細胞由来筋細胞を用いた健常人とPM患者のMHCクラスI発現の比較検証は困難と判断した。
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