ヒストンのアセチル化はDNA複製・修復や細胞周期などに影響えると考えられています。本研究では膵臓癌におけるヒストンアセチル化と細胞周期との関連性に着目し実験を行いました。これら分子メカニズムを詳細に解明することで、新規治療薬としての可能性を検証しました。 我々の解析からは、H3K9AcなどのヒストンH3アセチル化が膵臓癌細胞株において活性化していること、またヒストンのアセチル化抑制に伴い膵臓癌細胞株で細胞増殖抑制とアポトーシスとの関連性を示しました。この現象にはサイクリンB1やCDC2といった細胞周期関連遺伝子の発現低下を介してG2/Mにおける細胞周期停止をきたしたことを明らかにしました。
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