本研究「イスラエル/パレスチナにおけるアラブ性の探求―包括的な現代文化研究の基盤形成」の成果としては収集したヘブライ語文学作品を検討した結果、以下の点が判明した。 ヘブライ語文学に含まれるアラビア語の使用が移民一世の作品よりむしろ、その次世代の作家の作品に多く含まれており、そのアラビア語は通常文学言語として用いられる文語アラビア語ではなく、彼らが触れることのできたものは家庭内のみで用いられる口語のアラビア語であった。 加えてこうした傾向はイラン系の作家などアラブ系作家に止まらず二世、三世の作家がある程度持っている共通の特徴であることも判明した。
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