本研究は、17世紀イタリア中北部で活動していた貴族の集まり「アカデミー」の音楽文化への貢献を明らかにすることを目的とした。当時の最重要オペラ作曲家であるモンテヴェルディの創作時期から対象年代を設定し、そして研究対象とするアカデミーを選定した。成果としては、ローマの貴族で作曲家のカヴァリエーリのフィレンツェでのアカデミー活動、次にマントヴァを拠点とするアカデミーにおけるユダヤ人芸術家たちの活動についての研究、また専用劇場を持つアカデミーも存在したことから、初期の劇場事情についてヴェネツィアを対象とした調査などを行なった。個々のアカデミーに関する考察を基に、相互関係についてもまとめつつある。
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