本研究は,適応再スタート付き加速勾配法(以下,加速勾配法)を構造物の非線形解析に応用し,大規模問題に対する計算時間を短縮することで,構造物の設計の質の向上に寄与することを目的とするものである。 まず,弾性解析に対して,①剛性方程式を直接解く方法と,②ポテンシャルエネルギー最小化問題を加速勾配法で解く方法との比較検証をした。非常に大規模な問題においては,①の方法よりも②の方法の方が高速に釣合変位を求めることができることが確認された。また,幾何非線形解析への方法②の適用にも着手し,非常に大規模な問題に対しては,①よりも②の方が計算時間が少なくなる傾向にあることが確認され,本手法の有効性が確認された。
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