日本人女性の生涯未婚率が上昇し単身女性の貧困リスクが問題視され、生活設計の重要性が高まっている。本研究は、質的調査(インタビュー)と量的調査(Web調査)によって生涯未婚女性が経済的困難へ陥るプロセスと生活設計行動を高める要因を明らかにすることを目的に実施した。得られた成果は①未婚期間が長期化する間に収入水準が低下する場合、生活設計を行う余裕がなくなる、②親との同居は若い時期はセーフティネットになるが中年期以降は生活経営力の蓄積に負の影響をもたらし老後の生活リスク要因になる可能性がある、③生活設計行動を促す要因は家計管理行動と金融・経済に関する学習経験である。
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